大好きなブログ「いばや通信」で紹介されていて読みたくなった本、佐藤初女さんの「おむすびの祈り 森のイスキア こころの歳時記」を紹介します。
佐藤初女さんの「誰かの為に生き、それが自分の幸せ」という人生観を貫いたその生涯を知ることができます。
聖書には「与えるものは与えられる」と言う内容の聖句があります。
アルフレッド・アドラーも、幸せとは貢献感(世の役に立つこと)であると説きます。
凡人の私でさえ、自分ができる範囲で誰かに手を差し伸べた時、人間の本質的な喜びを感じることがあります。
人間が本当の意味で豊かに生きるとは、誰かの為に生きるということなのかも知れません。
この本から、そんなシンプルで大切なメッセージを受け取りました。
Sponsored Link
佐藤初女とは
佐藤初女さんは1921年10月3日に青森県に生まれ、2016年2月1日にこの世を去りました。(享年94歳)
福祉活動はもちろん、教育者、正しい食の伝道者、ろうけつ染めの指導者としても活躍された方です。
疲れた人を誰でも受け入れ、話をしたり、食事をもてなすという場「弘前イスキア」「森のイスキア」を主宰。
それらの幅広く、そして深く、崇高な活動の結果、様々な賞も受賞しています。
幼少期の頃より、どこで鳴ってるかも分からない教会の鐘の音に神秘的なものを感じ、やがて神様と出会います。
戦時中という事情もあり、正式にカトリックの信者になった(受洗)のは結婚し子供を産んだ後でした。
17歳から肺の病気を患い、完治の自覚を得る35歳まで病と闘いました。
24歳で勤務する学校の校長だった男性と結婚。
相手は既に3人の子どもがあり、再婚でした。
多くの著書も出版しました。
さらに、佐藤初女さんの活動は映画にまでなっています。
龍村仁監督の映画「地球交響曲 第二番」に出演しています。
「おむすびの祈り」の内容紹介と感想
「おむすびの祈り」は佐藤初女さんの自叙伝です。
その偉大な活動の中で、出版社から声がかかり作られたものです。
佐藤初女という一人の女性の生涯がリアルに描かれています。
人生観はもちろん、若い頃の長い闘病生活、結婚のこと、食に対するこだわり、また夫に一度だけ叩かれたことなど、包み隠さず書かれています。
私がこの本から受け取った、シンプルで大切なメッセージ、それは「誰かの為に生きる」ということです。
初女さんが純粋な思いで誰かの為に生きたこと、その実践が本の出版や映画化に繋がりました。
また、多くの人が初女さんを色んな形で支援しました。
誰かに何かを与えることで、また与えられているんだと、その背中が証明しています。
私が特に好きな箇所をいくつか紹介します。
私の進む道をはっきりと示されたのは、ある主日の御ミサの説教でした。
「奉仕のない人生は意味がない。奉仕には犠牲が伴う。犠牲の伴わない奉仕は真の奉仕ではない」
と、敬愛するヴァレー神父様が凛々しく語られたのです。
私は神父様のこの説教に大きく心を揺さぶられました。
この言葉は、それまでの私の生き方に対する問いかけでした。
それまでも、お腹がすいている人がいれば食べさせ、着るものがない人がいれば服をあげ、ということはしていたのですが、それは自分が無理なくできる範囲でのことでした。
しかし、それではいけないんだ、ある線を一歩超えなければ本当の意味での奉仕ではない、私は説教を聞きながら、体の中の血が駆け巡るようでした。「心は無尽蔵にある」より引用
どんな人も心の根底では「いい人になりたい」と願っているのだと思います。
それなのに生活の状況が苦しかったり、周囲の理解がなかったりすると、人間は弱いものですから、自分の本当の気持ちとは全く反対の形で、崩れた生活を送ることもあるのでしょう。「人生を変えた出会い」より引用
(心の貧しい人は幸いであるという聖句に関して)
私は「心の貧しい人」というのは今を満足する心だと受け止めています。
今を満足し、嘘や偽りなく正直に生きていれば、今日の満足が明日の希望になり、先のことは不安になりません。「気づきの波動を見つめる」より引用