2018年3月17日23時より、100分de名著のスペシャル番組「100分deメディア論」が放送されました。
これまでの100分de名著のスペシャル「幸福論」「日本人論」「平和論」「手塚治虫」に続き、興奮が止まらない素晴らしい内容でした。
目次
4人の論者と名著
指南役:堤未果
名著:「世論」ウォルター・リップマン
指南役:中島岳志
名著:「イスラム報道」エドワード・ワディ・サイード
指南役:大澤真幸
名著:「『空気』の研究」山本七平
指南役:高橋源一郎
名著:「一九八四年」ジョージ・オーウェル
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100分deメディア論の感想
政府が公文書を改ざんするというとんでもないトピックスが渦巻くこのタイミングで、よくぞ放送してくれた!という内容でした。
しかも、改ざん発覚前に収録された様ですね。
指南役の中島岳志や高橋源一郎もこのようにツイート。
大変、タイムリーな番組になったと思います。ゲストは大澤真幸さん、高橋源一郎さん、堤未果さん、私です。→100分de名著スペシャル「100分deメディア論」2018年3月17日(土) 23時~深夜0時40分 https://t.co/NImfExjEC4
— 中島岳志 (@nakajima1975) 2018年3月15日
そうですね、びっくりするぐらい、タイムリーな番組になりましたね。堤未果さんがリップマンの「世論」、大澤真幸さんが山本七平の「「空気」の研究」、中島岳志さんがサイードの「イスラム報道」、ぼくがオーウェルの「一九八四年」を担当して、ほんとうに徹底的にお話をしました。 https://t.co/6XGhU3rkit
— 高橋源一郎 (@takagengen) 2018年3月15日
メディアという、時代や場所、空気によって移ろい行くテーマに対して、それぞれの論客が様々な角度から論じます。
それぞれの名著は書かれた国も時代も異なり、「一九八四年」なんかはSFです。
しかしながら、それぞれがメディア論を語る上で機能していました。
メディアがどうあるべきか、政権がどうあるべきか、そして私たちがどうあるべきか…
深い問いを投げかけられる素晴らしい内容でした。
私たちがいかにステレオタイプの色眼鏡で物事を見ているか。
私たちがいかにメディアの情報に感情まで操作されているか。
特に日本人は「空気」という実在しないものに左右されています。
「一九八四年」は、1949年に発行された、1984年(近未来)のディストピアを描いたSF小説なのですが、現在の日本を描いているようで背筋が凍りました。
皮肉にも「一九八四年」にはこんな一節があります。
未来へ、或いは過去へ、思考が自由な時代、人が個人個人異なりながら孤独ではない時代へ。
真実が存在し、なされたことがなされなかったことに改変できない時代へ向けて。
画一(かくいつ)の時代から、孤独の時代から、〈ビッグ・ブラザー〉の時代から、〈二重思考〉の時代から。
ごきげんよう!
本当に身につまされます。
そして、やはり伊集院光の存在を忘れてはいけません。
彼の存在・視点があるからこそ、4人の論者と私たち視聴者を地続きにさせてくれます。
100分で名著のレギュラー放送「代表的日本人」「苦海浄土」の指南役でお馴染みの若松英輔もこの様に評価しています。
「100分de名著」のメディア論、さまざまな意味で唸らされ、また希望を感じた番組だった。時代を評論するプログラムが多いなか、この番組のスタッフは見えない姿で、聞こえない声でも全体主義化、単純化する今に抗おうとしている。オンデマンドでUPされたらぜひ、もう一度見て欲しい。素晴らしかった。
— 若松英輔 (@yomutokaku) 2018年3月17日
幸福論や平和論と同様に、やはり簡単に答えの出るテーマではありませんが、鋭い問題提起や分析や議論があり、メディアの良き未来まで示してくれた様に思います。
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NHK批判も偽り無く放送
番組の中で、中島岳志を皮切りにNHK批判が始まるのですが、それも偽ることなく放送した事は素晴らしかったですね。
歴史のある大きな組織ですから、どこかが腐敗することもあるでしょう。
しかし、NHKの作り手たちは本当に素晴らしいと思います。
プロデューサーの秋満吉彦はこの様にツイート。
100分deメディア論の企画自体は二年前から温めてきました。理由は、自らが属するメディア業界の信頼が足元から揺らいでいると感じられたから。そして、今こそ私たちは自分たちの仕事自体を謙虚に問わなければならないと思ったからです。ぜひ一人でも多くの方にご覧いただけたらと思います。 https://t.co/y9DNAUTPKJ
— 秋満吉彦 (@akiman55) 2018年3月14日
高橋源一郎もスタッフの気迫を感じたと言っています。
たいへんな反響があったようですね。中身は厳しいNHK(を含むメディア)批判でもあったのに、その部分も削らず放映されたようです(「犬HK」なんて書き込みまでそのまま)。歴史の改ざんがテーマになっていたので改ざん後の収録ですかと質問がありましたがその前です。スタッフもすごい気迫でした https://t.co/cqf82NXXrt
— 高橋源一郎 (@takagengen) 2018年3月18日
中島岳志は「心を打たれた」堤未果は「本当に真摯な番組作り」とツイート。
Eテレの「100分deメディア論」、放送を見ることができなかったのですが、私の籾井前会長批判をそのまま放送したそうで、驚くと共に、番組スタッフの覚悟に心を打たれました。素晴らしい番組だと思います。
— 中島岳志 (@nakajima1975) 2018年3月17日
ありがとうございます。父にも見せたかった素晴らしい番組でした。
ここはスタッフの方々が皆さん本当に真摯な番組作りをしていて、
頭が下がります。
私は放送は見られなかったので明日録画を見ようかと🎥 https://t.co/ihYtgsq6eF— 堤未果 (@TsutsumiMika) 2018年3月18日
その勇姿に賞賛の声も多数ありました。
Eテレ「100分deメディア論」面白かった。最後に中島岳志氏がNHK前会長を批判し、大澤真幸氏も同調してたのを流してたのは感心した。まあこの日のテーマでこれをカットしたら、自己矛盾なんだけど。政府広報局から脱皮なるかな。
— Keita Nishida (@nishidakeita) 2018年3月17日
Eテレの100分deメディア論を見てるけど、オーウェルの1984年の話や、NHK前会長の「政府が右ということを左というわけにはいかない」というアレな発言を取り上げてたりと、ああ、NHKもようやく元に戻ってきたんだなあと実感している
— kurubushi (@kurubushi) 2018年3月17日
昨日の100分deメディア論では政権批判もメディア批判もそして自己批判も過去の名著を引用し正面から展開していて本当に見応えがあった。特に高橋源一郎が紹介していた1984年のラストの様にならないためにしっかり自由な思想を守って次世代に繋がなくては。
— yuki takeda (@yuu_take) 2018年3月18日
いろいろ面白かったのですが、NHK前会長の発言を批判して大澤さんが政府が右と言ったら左の可能性がこうあると示すのがメディアの役割だといい、アナウンサーらしき人がNHKは毎分視聴率気にしてておかしいとはっきり批判してて(まあ常識的な発言ですが)目を見張りました#100分deメディア論
— 長谷正人 (@mtokijirou) 2018年3月18日
100分deメディア論に対するみんなの感想
100分deメディア論すごかったー。今起こってること、今放送すること、今見ること、今考えることとか。ほんと今だな。考えることをやめちゃいけないなと思った。
— yumimi (@yumimi144) 2018年3月18日
100分deメディア論、素晴らしい決意表明に見えた。番組BGM最後のアイ・シャル・ビー・リリーストが象徴的であり的確。しばらくNHKはこの番組再放送続けた方がいいと思う。
— けるる軍曹 2 (@sgt_keruru) 2018年3月18日
昨日の『100分deメディア論』素晴らしかった。賢者4名(この人選も抜群)が、1冊ずつ持ち寄る企画がよい。伊集院光が巧みに話題を噛み砕きつつ、「テレビが人の喜ぶ点滅だけになるかも」という、飛躍しつつも本質を突いた発想で本領発揮!
#100分de名著#100分deメディア論— sunaimai (@sunaimai20) 2018年3月18日
たまたま「100分deメディア論」を見たのですが、すごく面白かった。伊集院さんの言っていた民放はこのスポンサーがついてるからこう偏っているってのを提示するシステム、すごく良いと思う。オーウェルの「1984年」読んでみたくなりました。
— 綾瀬マルタ (@ayasemalta) 2018年3月17日
Eテレの『100分deメディア論』見応えあったなぁ。
財務省の文書改ざん問題ともリンクする部分もあってタイムリーな内容だったし、ジョージ・オーウェルの『1984』が古典じゃないよっていう事も改めて理解できた。
やはり『1984』は読んでみなければな。— ひろきむ@0323きのこ帝国 (@hirokim2145) 2018年3月17日
再放送リクエストでも1位を獲得
NHKのサービスのひとつ、NHKネットクラブには「再放送ウォッチ」という再放送をリクエスト(無料会員登録が必要)できるコンテンツがあります。
その再放送ウォッチでも1位を獲得しています。(2018年3月19日更新の時点)
100分deメディア論の再放送が決定
100分deメディア論の再放送が決定しました。
Eテレで2018年4月22日(日)午前0:30~2:10(土曜日の深夜ですのでお間違いなく)です。(変更の可能性あり)
「100分deメディア論」再放送日が決定しました! Eテレで4月22日(日)午前0:30~2:10(※21日(土)深夜)です(変更の可能性有)。視聴者の皆様のおかげです。本当にありがとうございました。ぜひ多くの皆さんに見ていただきたいので拡散、リツイートをどしどしお願いいたします
— 100分de名著 (@nhk_meicho) 2018年3月22日
100分という長い番組の再放送はハードルが高いそうですが、それを超えるほどの反響があったという事なのでしょう。
多くのご感想、ご意見ありがとうございます。励みになります。「100分deメディア論」は放送時間100分という長大さの問題もあって再放送枠を設けるハードルがかなり高いと思われます。地道なリクエストをいただくほかないかもしれません。もう一度ご覧になりたい方はご協力お願いいたします。 https://t.co/NWM9DNLWF9
— 秋満吉彦 (@akiman55) 2018年3月20日
NHKオンデマンドで視聴できます
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