繊細な人とは
繊細な人とは、物事に対する感度が高い人の事を指します。
ほそいという意味の漢字がダブルで使われている「繊細」という熟語で人の気質を形容しています。
日本人は昔から、物事に対する感度を神経の太さに例えてきました。
その為、繊細な人の対義語として「図太い人」という言葉もあります。
そんな繊細な人の、その感度の高さゆえの色々な特徴について考えてみました。
繊細な人とHSP
HSPとは、Highly Sensitive Person(直訳:非常に敏感な人)を略した言葉で、1996年にエレイン・N・アーロン博士が考案した人間のタイプ分類です。
大きな音や眩しい光、強い匂いに敏感に反応してしまうなどの外的な特徴もあれば、多くの要求をされると混乱してしまうという内的な特徴もあります。
HSPに分類される人はもともと繊細な人多く、繊細さが短所として表出されてしまっている人や克服できていない人が該当します。
繊細さというザックリとした気質が、HSPとして概念化・言語化されたことは、いま現在も繊細さによって苦しんでいる人にとっては好ましいことだと思います。
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繊細な人の特徴
物事にこだわる
繊細な人は、その感度の高さゆえに物事に対して細かい部分にまでこだわります。
それが長所として発揮されれば細かい部分まで行き届いた仕事ができたりしますが、短所として表出してしまえばこだわりが強いゆえに作業が遅かったり、優柔不断になってしまう事もあります。
他者への観察が鋭い
繊細な人は他者に対する観察も鋭いです。
それゆえに、思いやりのある振舞いをすることも、色んな人と衝突せずに付き合うことも、空気を読むことにも長けています。
反対に、言いたいこと言わないとか、傷つきやすい人、なんてレッテルを貼られてしまうこともあります。
先を見通せる
繊細な人は、物事に対しても現象や他人に対しても鋭い観察力や感度を持っていますから、先を見通す力があります。
それ故に、失敗しにくい人でもあります。
ですが、逆にマイナス思考や取り越し苦労をしてしまうこともあります。
繊細さを克服する 短所は長所になる
繊細な人の特徴を挙げてみましたが、全てに共通して言えることがあります。
それは、繊細さ自分中心的に発揮すれば短所、自分以外の為に発揮すれば長所なります。
例えば「悪気も無く周囲に迷惑をかけている人」がいるとします。
そして、繊細なあなただけがその状況に気付いているとします。
そこであなたが、その人に指摘しないという選択をすれば、傷つく事を恐れて言いたいことを言わない人で終わります。
しかし、勇気を出して指摘してあげることで、その人に対しても、またその周囲に対しても思いやりのある振舞いができる人に変わります。
繊細さに限らず、どんな気質も言えることですが、どう発揮するかによって短所を長所に変えることができます。
人の性格はそう簡単に変えられません。
しかし、その性格をどう使うか選択することは今この瞬間にだってできます。
「繊細さを克服する」ということの本質は、気質を変えるのではなく選択を変えるということなのです。
繊細な人に向いている仕事
繊細な人の特徴から、繊細な人に向いている仕事について考えてみました。
繊細な人はこだわりが強いので、医者や料理人、クリエイターや芸術関係と言った、機微にまで行き届いた仕事が求められる職種が向いています。
また、組織人としても繊細な人なりの役割を担うことができます。
「物事への観察力の高さ」「先を見通す力」を右腕や参謀として発揮するのです。
経営者やリーダーには図太くイケイケドンドンな気質が求められるのに対して、参謀や右腕に当てはまる職位には、冷静に物事を見極め助言や軌道修正をする役割が求められます。
さらに、カウンセラーなどの対人関係の仕事でも繊細さを発揮する事も可能です。
繊細な人ってその性質を大いに発揮すれば、色んな仕事で活躍することができるのです。
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繊細な人の恋愛や結婚
繊細な人は、その性格から恋愛を始めにくいです。
他人の良い所も悪い所もよく見えるので、恋愛に対して億劫になりやすいです。
また、こだわりが強く、理想が高くなってしまいがちです。
そのくせ優柔不断な所があります。
ですが、ひとたび恋愛が始まると上手く行きやすいのも繊細な人の恋愛の特徴です。
思いやりがあって空気も読めるので、相手の望む自分でいられますし良いコミュニケーションが継続します。
いわゆる「熱しにくく冷めにくいタイプ」ですね。
ですから、自分が繊細な人間だと自覚している人が恋愛する場合、とにかく行動することを最重要課題としましょう。
そして、これらの内容から分かる様に繊細な人は結婚には向いています。
ひとりの人と人生を共にすると覚悟を決めれば、その人をずっと大切にします。
繊細な人との付き合い方
繊細な人に恋愛感情を抱いたとか、繊細な人と仕事をすることになった人に向けて、繊細な人との付き合い方を解説したいと思います。
繊細な人に対しては…
- こちらからアクションを起こしてあげる
- こちらが決めてあげる
- 常に安心感を与えてあげる
- ひとりになりたいシグナルを出したときはそうさせてあげる
と言った付き合い方をすると上手く行くでしょう。
もともとアクティブで主体性がある人は、繊細な人と相性が良いタイプと言えるでしょう。
そうではない人からしたらかなり面倒くさいかもしれませんが、恋愛においても仕事においても繊細さゆえの力を発揮してくれますので、上手く付き合えた時のメリットは大きいです。
繊細な人の理想的な生き方
繊細な人はその性格ゆえに、必要以上にダメージを負ってしまい心が弱ってしまいがちです。
鬱や引きこもりになりやすいのも繊細な人が多いです。
繊細であるがゆえに、生きづらさを覚えてしまう人もたくさんいます。
繊細な人の理想的な生き方としては、まずはその気質を受け入れ、短所としてではなく長所として繊細さが発揮されるようにすることです。
繊細さを世のため人のために発揮すれば、そうでない人より濃厚で充実した人生を送ることができます。
その為には少しの勇気と強さが必要ですので、少しくらい図太く生きてバランスよく生きていけるといいでしょう。
繊細な人にオススメの本
「敏感すぎる自分」を好きになれる本 著:長沼 睦雄
ささいなことでドキッとする、ちょっとしたことに過敏に反応してしまう…
それは性格ではなく、繊細な人の性質のせいかもしれません。
何事にも敏感に反応しすぎてしまうのがHSPと呼ばれる性質。
ある調査では、生まれつき5人に1人がHSP性質だとわかっています。
HSPの人は周囲の出来事や環境の変化に過度に敏感に反応してしまうために、生きづらさを感じたり、周囲の人から誤解を受けることも多々あります。
この本では、日本におけるHSPの数少ない臨床医である著者がHSPの特徴を解説しながら「生きづらさ」を減らして生きていく具体的な方法を紹介しています。
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