ゆとり世代とは
ゆとり世代とは、ゆとり教育を受けた世代の事を指します。
ゆとり教育とは、既成の詰め込み教育ではなく、思考力や個性を重視し、学習時間にゆとりを持たせた教育のことです。
勉強や仕事よりも、目に見える成功よりも、精神的な幸福や交友や愛を重視しようというゆとり教育の理念は、日本人が人間らしさを取り戻すチャンスです。
そんなゆとり教育の恩恵を受けたゆとり世代は、先を歩く新人類とも言えます。
ゆとり教育の現状
そんな素晴らしい教育方針ですが、過去に3度、数年間だけ実行されただけで終わっています。
素晴らしい仕組みであるはずなのに、それを受け入れる日本人全体が変わろうとしないからです。
今現在も、日本の教育現場では古い価値観や考え方が蔓延しています。
2017年になった今でも、頭髪が生まれつき茶色い女子高生が学校から黒染めを強要される事件がありました。
ゆとり教育が本領を発揮するためには、日本人全体がゆとり世代を未来型の人間と認め、それを受け入れる心が必要なのです。
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ゆとり世代の範囲
ゆとり教育は、これまでの日本の教育の常識を覆す様な内容でもありました。
その為、ある時点でガラっと教育方針が変わったのではなく、段階的に3つの時代で取り組まれて来ただけで終わっています。
主に、1987〜89年度生まれ・1990〜95年度生まれ・1996〜2003年度生まれがゆとり世代にあたります。
そんなゆとり世代の一期生は既に30歳(2017年現在)になっていますから、立派なサンプルとしてたくさんのゆとり世代が社会に進出しています。
ゆとり世代の特徴
仕事がスピーディ
ゆとり世代の人たちは、成果をあげる事を急ぎます。
そして、自分に関わる仕事しかしないため非常に合理的です。
日本の労働の現場には無駄な事が多すぎます。
無駄な会議、無駄な資料作り…etc
仕事のための仕事が多すぎるのです。
ゆとり世代の仕事ぶりはとてもタイトで、顧客や会社のため、自分や世界のためになる仕事しかしません。
本来、労働とはそれで良いはずです。
自分の仕事以外はやらない
ゆとり世代には、自分の仕事以外はやらない人が多いです。
考えてみたら当たり前のことですね。
何が悲しくて、自分から仕事を増やさなければいけないのかという話です。
スキルアップの勉強だって、会社から強制されるものではありません。
ゆとり世代は電話をとらないなんてボヤく人も多いですが、電話なんて廃れていくツールだということを知っているのです。
チャットやメッセンジャーアプリがこれほどスタンダードな時代に電話なんかとる必要がないと考えているのでしょう。
プライベートが全て
ゆとり世代は、人生の調和を維持する為には、仕事以上にプライベートが大切だという事を知っています。
仕事より、交友や愛を優先するのは先を歩く者たちの生き方です。
ゆとり世代は、そもそも賞罰教育由来の不毛な競争心を植えつけられていません。
会社内での地位などに興味がないのです。
人間として本当に大切なのは、自分の幸福を純粋に追求すること、そして世界に貢献することなのです。
怒るとすぐ辞める
怒るとすぐ辞める…
当たり前のことです。
仕事で感情的になる様な人間なんて、ゆとり世代じゃなくても一緒にいたくありません。
そんな会社に早々に見切りをつけているのです。
これこそ未来人の正しい振舞いです。
実際に学生スポーツの世界でも、いわゆる体育会系の縦社会の強い学校は勝てなくなっています。
選手の心身を大事にし、スポーツそれ自体の幸福を味わい、勝つ為の論理的な練習をする学校が成果を出しています。
監督などの首脳陣と選手の関係がまるで友達の様なチームほど、大きな成果を残す時代になってきているのです。
人類が飢餓を克服(世界の人口の胃袋を満たす生産力を獲得したという意)した様に、人類はそろそろ気合いや根性などの感情論なんて克服すべきです。
暴力や暴言なんてもってのほか、人間のすることではありません。
ゆとり世代に対して「ストレス耐性がない」「叱られるとすぐ萎縮する」なんてイメージを持つ人もいますが、そんな人、そんな会社をを相手にしてないだけなのです。
飲み会に参加しない
何が悲しくて、オフの時間にまで職場の人と一緒にいなくちゃいけないのでしょうか。
それが未来を先取るゆとり世代の価値観です。
ゆとり世代は、仕事とプライベートのメリハリがあります。
仕事に交友や愛を持ちこまないのです。
その方が人間が幸福に生きられることを知っているのです。
ゆとり世代にどうしても飲み会に来てほしい場合は残業代を払いましょう。
重役とも対等
ゆとり世代は会社の重役にも媚び諂うことはありません。
幸福度の高いヨーロッパなどでは普通のことです。
会社には組織運営上の指揮系統はありますが、それはビジネスパーソンとして、ましてや人間としての上下を意味する訳ではありません。
ゆとり世代は、不毛な縦社会が生産性を下げることを知っています。
ですから、重役との話す際もガムを噛んでいたり、上司にお酒を注いだりしないのです。
物やお金への執着が薄い
ゆとり世代は、物やお金への関心が薄いです。
物やお金は、幸せになる上でそれほど重要ではないことを知っているからです。
それよりも交友や愛、精神的な充足を追求する人間らしい人間なのです。
遅刻や欠勤が多い
ゆとり世代は勤怠が悪く、遅刻や欠勤が多いと言われています。
しかし、未来型人間であるゆとり世代を時間で縛りつける方が遅れているのです。
決まった曜日の決まった時間に出勤しなければいけない今の日本社会で、様々な弊害が生まれていることは誰だって知っていますよね。
テレワーク・リモートワーク・フレキシブルワークが当たり前の現代、仕事に「遅刻」なんて概念があること自体が古いのです。
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ゆとり世代の転職が増えている現実
ゆとり世代の特徴を挙げてみたところで、やはりこれまでの日本に強く根付いた労働観にはフィットしないことが分かります。
古い価値観でゆとり世代を見たとき、ツッコミどころが満載なのは事実です。
しかし、それを根拠にゆとり世代を孤立させ、古い価値観に染めてしまっては日本は変われません。
2017年になった今でさえ、古い労働観が原因で法令違反がたくさん明るみにでました。
それも世界的な大手企業で。
山口周は2015年の時点で法令違反が続出する事を予測していました。
過労死のニュースだって無くなりません。
恐るべき数の自殺実行者、その10倍とも言われる未遂者、そしてその背後にいる計り知れない数の予備軍。
もうそろそろ、これまでの自分たちが間違っていることを認め、大きく変化していく時だと思います。
そのヒントが、ゆとり世代のライフスタイルにたくさん隠されているのです。
未来の労働観を体現するゆとり世代を孤立させてはいけないのです。
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