100分de名著とは
100分de名著とは、2011年からNHKで放送されているテレビ番組です。
聖書から万葉集、ベストセラーから難解で取っつきにくい作品まで幅広く取り上げられます。
25分の番組を4回に分けて放送するので「100分de名著」という名前になっています。
毎回違った専門家をゲスト解説に招き、世界中の名著と言われる書籍を掘り下げていきます。
朗読や映像も駆使し、色んな感覚を通して名著を紹介してくれます。
100分という短い時間でも、その名著の魅力を存分に伝えてくれます。
私も100分de名著のおかげで出会った本は何冊もあります。
■100分de名著 公式Twitter
本日22時25分からスタニスワフ・レム「ソラリス」第二回放送。人間の深奥にある記憶を読み取る海は、人間たちにいったい何をもたらすのか? 「ソラリス」の精神分析的な読みも試みます。朗読は、俳優・田中哲司さんに加え、中村優子さんも登場。共演も多いお二人だけあって息もぴったりです。
— 100分de名著 (@nhk_meicho) 2017年12月11日
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伊集院光の存在感
100分de名著が始まった2011年のキャスティングでは、堀尾正明アナウンサーと若い女性タレントの瀧口友里奈でした。
2012年から伊集院光が司会に起用され、100分de名著に一層の深みが出ました。
伊集院光の存在が、専門家の解説だけでは不足していた「一般人の視点」を付加してくれます。
その感性、そして司会という役割への徹底ぶりは「さすが」の一言です。
伊集院光の質問や投げかけが、未読の人や我々一般人の理解をいっそう深める助けになり、難解な書籍にも興味を持てる様になります。
既読の本だったとしても、100分de名著を通して新たな発見・気付き・解釈が得られます。
100分de名著の神回
- 代表的日本人
- アランの幸福論
- 夜と霧
- 夏目漱石 こころ
- アドラー 人生の意味の心理学
- 司馬遼太郎スペシャル
- 野火
- 愛するということ
- ツァラトゥストラ
私はこの辺りが神回だと思います。
100分de名著は基本的にどの回も面白いのですが、特に面白い回はゲスト解説者のその作品への愛が伝わってくるときですね。
例えば、夏目漱石の「こころ」がそれにあたる神回と言えるでしょう。
ゲスト解説者の姜尚中は、生涯でベスト級に好きな作品だと言います。
そして、4週目にもうひとりのゲスト解説者として、100分de名著でもお馴染みの島田雅彦が登場します。
島田雅彦もこころが大好きだそうですが、やっぱり解釈が違うんですね。
「こころ」を愛している識者の2人が、静かに意見を戦わせる様はまさにグル―ヴィでした。
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100分de名著スペシャル
100分de名著はこれまでに5回スペシャル番組が放送されました。
テーマは「幸福論」「日本人論」「平和論」「手塚治虫」「メディア論」
通常の放送ではひとつの名著を掘り下げるという形式ですが、スペシャルでは「4人のゲストがそのテーマに関する名著を持ち寄り紹介する」という形式がとられています。
テーマだけが共通していて、異なる分野のゲストたちが、異なる本を紹介します。
ひとつのテーマを多角的に深く学べ、見ごたえのある貴重な内容です。
普段の100分de名著とは雰囲気も違って新鮮です。
複数回に渡って登場している指南役
NHKオンデマンドなどで100分de名著のアーカイブを見るとき、興味のある名著、興味のある著者を切り口に視聴するのがほとんどだと思います。
しかし、100分de名著の魅力のひとつとして「指南役との出会い」というものがあります。
その名著、その著者より、その指南役に興味を持ってしまうパターンです。
例えば私の場合なら、恥ずかしながら岸見一郎や中島岳志といった人物を100分de名著を通して知りました。(今では大ファン)
そんな100分de名著に複数回に渡って登場している指南役(スペシャルも含む)をピックアップしてみました。(2018年3月19日時点)
最多登場が3回で6名です。
3回
島田雅彦
西研
斎藤環
佐々木閑
釈徹宗
高橋源一郎
2回
廣野由美子
鈴木晶
湯浅邦弘
中島岳志
中沢新一
大久保喬樹
沼野充義
若松英輔
鹿島茂
岸見一郎
過去の100分de名著を見るならNHKオンデマンド
NHKの過去の番組を見られる有料サービス「NHKオンデマンド」では、100分de名著も配信されています。
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100分de名著の書籍
100分de名著は書籍もNHKから発売されています。
書籍には映像とは違った気づきや発見があります。
NHKの取材・編集力と専門家による解説で難解な本でも理解しやすい内容ですから、テキストとしてじっくり読みたいという人も少なくないと思います。