真理を求めた男の生涯 映画「Into the Wild」の感想やあらすじ等

Into the Wild1

Into the Wildの概要

Into the Wild(イントゥ ザ ワイルド)とは、2007年に公開された実話を基にしたアメリカの映画です。

原作はジョン・クラカワーの「荒野へ」

監督は俳優のショーン・ペン、主演はエミール・ハーシュです。

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音楽が素晴らしい

Into the Wildで特に印象に残るのが、オープニング曲やエンディング曲、挿入曲などで一貫して使われているエディ・ヴェダーの音楽です。

Into the Wildの世界観とエディ・ヴェダーの表現が本当にマッチしていて、音楽が映画をより豊かにするのがよく分かります。

驚いたのが、Into the Wildの主人公であるクリストファーとエディ・ヴェダーの生い立ちがよく似ているんですね。

孤独な青年時代や周囲の大人たちに真実を隠されていたこと。

それに動揺、混乱していたことなど、2人には通じる部分がたくさんあったんです。

↓冒頭で流れるエディ・ヴェダーの「Guaranteed」

Into the Wildのあらすじ

学業優秀で裕福な家庭に育った主人公が、大学卒業後に全てを捨てて旅に出る、実話をもとにした映画です。

何の不自由もない恵まれた生活を送る主人公。

しかし、心の奥底には、偽善に満ちた大人たちや物質至上主義、そして自分を騙し続けてきた両親に対する激しい怒りがありました。

ある日、大学卒業を機に、真理を求めて旅に出ます。

その中で、人との繋がり、自分から許すこと、自分から歩み寄ることの大切さを悟っていきます。

辿りついたアラスカの地に滞在する中で、数奇な運命に遭遇します。

Into the Wildの世間的な評価

  • ゴッサム賞 作品賞
  • ナショナル・ボード・オブ・レビュー ブレイクスルー男優賞(エミール・ハーシュ)
  • パームスプリングス国際映画祭 監督賞(ショーン・ペン)ライジングスター賞(エミール・ハーシュ)
  • 映画館大賞「映画館スタッフが選ぶ、2008年に最もスクリーンで輝いた映画」第6位
  • キネマ旬報ベストテン 外国映画4位
  • ゴールデングローブ賞 歌曲賞 / 「Guaranteed」マイケル・ブルック、エディ・ヴェダー

様々な映画賞を受賞しています。

アカデミー賞では、助演男優賞と編集賞でノミネートはされました。

個人的にはもっと評価されていい映画だと思いましたが、本当に良い映画ほど瞬発的に評価されなかったりします。

嬉しいのが、日本では数少ない信頼できる映画ランキングのキネマ旬報ベストテンで外国映画部門の4位に選ばれたことですね。

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Into the Wildの感想

原作の「荒野へ」も良いのですが、映画化された「Into the Wild」こそ完璧な作品だと思います。

映像・俳優の演技・音楽・148分という尺・映画ならではの時系列の配置(過去から未来へストレートに配置されていない)が完璧なのです。

個人的には、生涯で観た映画の中でベスト級に好きな映画です。

珠玉の金言が溢れた映画

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魅力的なクリストファーは、行く先々で色んな人と出会います。

放浪するカップル、一人暮らしのおじいちゃんなどなど。

特に印象的なのが、一人暮らしのおじいちゃんロンとの出会いです。

ヒッチハイクで偶然出会ったロンの家に数日滞在することになり、その中で心の交流を深めていきます。

ある日ロンが、両親に全く関心を向けないクリストファーに「人が人を許す時、光が差し込む」みたいな事を言うんです。

その時クリストファーは笑って小馬鹿にしていましたが、そんなロンとの交流があったからこそ、その後に「幸せは誰かと共有してはじめて成立する」という考えに至るんだと思います。

そんな人間と人間の摩擦の中の珠玉の金言にも出会える映画でもあります。

別れ際、ロンは本気でクリストファーを養子にしたいと申し出ます。

このシーンは涙が溢れて止まりませんでした。

クリストファーに否定的な人たち

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この映画の感想を語る時に、やはり中心となるのが、実在したクリストファー・マッキャンドレスという人間の生き様でしょう。

インターネットなどでは、クリストファーに対して「現実逃避」「神経質すぎる」「青臭い」「未熟」と言った意見が見られます。

中には「俺にもそんな時期があった」なんて感想までありました。

そんなクリストファーに上から目線の意見を持つ人たちは、彼ほど自分と真摯に向き合い、行動を起こしたのでしょうか。

現実逃避と言うけれど、あれほど突き抜けた本気のもがきを一度でもしたのでしょうか。

私はクリストファーは現実逃避などしていないと思います。

真理を求めて、己の体ひとつで旅をしたのです。

クリストファーは死に急いでなんかいませんし、本当の命を生きようとして足掻いています。

そうでなければ、食中毒で命の危険を感じた時、あれほどもがく事もありません。

子供が大人になるにつれて、希望をなくしていくのが当たり前。

それが本当に大人になるということなのでしょうか。

多くの人がいつしか適当なところで折り合いを付け、自分の限界を決めてしまっている世界。

そんな世界に「NO」を言うために、クリストファーは旅に出たのではないでしょうか。

私がこの映画から投げかけられたのは「今の自分を、子供の頃の自分に誇れるだろうか?」という問いです。

いつしか適当なところで小さくまとまったしまった自分にとって、本当に衝撃的なメッセージでした。

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カテゴリ - 映画

2018/02/19

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