これぞリアルな戦争映画「この世界の片隅に」の感想

映画「この世界の片隅に」

「この世界の片隅に」の概要

この世界の片隅にとは、こうの史代による同名の漫画を原作とした、2016年に公開された日本の映画です。

戦前・戦中・戦後を生きた「すず」という女性を中心に、すずを取り巻く様々な人間を描いた映画です。

監督は片渕須直、声優としてタレントの「のん」などが起用されています。

主題歌はコトリンゴ「みぎてのうた」です。

音楽全般コトリンゴが担当しており、挿入曲やオープニングテーマで流れる「悲しくてやりきれない」もコトリンゴが歌っています。

製作費をクラウドファンディングで調達したという点も、この傑作が生まれたひとつの要因だと思います。

「この世界の片隅に」という作品を、映画化という営みを通して世界に広めたい。

そんな純粋な善意の宿った資金だからこそ、生まれた奇跡ではないでしょうか。

公開から216日で累計動員数200万人を突破、公開から1年と少し経った2017年末の時点で興行収入は26.7億円にもなりました。

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「この世界の片隅に」の世界の評価

「この世界の片隅に」は世界的に異例の大ロングヒットとなりました。

クラウドファンディングで製作費を募るほど小さな規模からスタートした映画でしたが、まず各分野の一線で活躍する人が「この映画すげー」と騒ぎました。

その後、上映される劇場の増加、上映期間の延長など、日本中に拡がっていきました。

中には、1年以上も上映を続ける映画館もありました。

各分野の著名人たちも、自身のSNSやブログで称賛していました。

映画レビューメディア、SNSや個人のブログでも称賛の声が止みませんでした。

「被爆した日本」というテーマの助けもあってか、上映は世界にまで拡がり、なんと60以上の国と地域で上映されました。

現代の日本で信頼できる数少ない映画批評家の町山智浩や宇多丸も大絶賛でした。

もちろんや宇多丸ランキングでも1位でした。

また、2016年と言えば近年稀に見るほど日本の映画が豊作の年でした。

「シン・ゴジラ」「君の名は」「怒り」「淵に立つ」「永い言い訳」「クリーピー」「リップヴァンウィンクルの花嫁」など傑作が次々と発表される中でも、最も高い評価をする賞やランキングが多かったです。

そして、日本国内はもちろんのこと、世界中で多くの映画賞を受賞しました。

「この世界の片隅に」の感想

この世界の片隅に

この世界の片隅にの凄いところは、悲惨な戦争をテーマにしているのに、現代を生きる我々が見ても現実感がある点でしょう。

普通の戦争映画は、悲惨さは伝わる一方、現代を生きる日本人にとってどこか非日常でした。

しかしこの映画は、戦争の愚かさや悲しさを確かに表現しているのに、それが現代と地続きに感じられるのです。

戦争中だからと言って、人間はちゃんと人間らしい暮らしをしているのです。

現代と変わらない、普通の人間の喜怒哀楽があるのです。

その表現が本当に優れているからこそ、戦争の愚かさがリアリティを伴って伝わってくるのです。

いつも明るくて元気で、優しくて穏やかなすずでさえ、戦争に対する怒りを爆発させ慟哭します。

手を失いながら地に伏して号泣するその姿に、私も涙をこらえきれませんでした。

反戦映画だとか、そうじゃないとか、どうでもいいんです。

何があっても、戦争はやっちゃダメなんです。

どんな理由があろうと、人類は暴力を克服しなければいけないと思います。

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カテゴリ - 映画

2018/02/21

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