「聖書の女たちから現代の女たちへ」の概要とレビュー

聖書の女たちから現代の女たちへ1

概要

「聖書の女たちから現代の女たちへ」は2017年に出版されました。

著者のキャロリン・愛子・ホーランドさんは、聖書講義や子育てコミュニケーションについて活動されている方です。

聖書が難解で理解できない人はもちろん、聖書のことをよく知らなくても為になる本です。

また男性でも楽しめる内容です。

・著者による紹介インタビュー動画

内容紹介とレビュー

聖書に登場する8人の女性と、それぞれの人物がどの様に神と出会い、変えられていったかが書かれています。

注目すべきは8人の選出です。

エバ / ハガル / タマル / ヨケベデ / デボラ / ハンナ / アンナ / サマリヤの女

聖母マリアの様に有名で偉大な女性ではなく、タマルやハガルなどのしたたかでスキャンダラスな女性、あるいは迫害され差別された固有名詞も出ないサマリヤの女性がフィーチャーされています。

普通の人間くさい女性が取り上げられているからこそ、現代を生きる普通の私たちと彼女たちが地続きであることを感じさせてくれます。

本文の途中途中に聖書が引用され、とても読みやすい構成になっております。

聖書の女たちから現代の女たちへ2

どんな女性、どんな人間にも等しく神の愛と恵みが注がれていて、その心に応えて生きるなら祝福され、反対に、神に背いて生きることでいかに恐れや不満の奴隷になり、不自由になってしまうかも聖書の女性たちが教えてくれます。

人はもがき苦しみながらも相変わらず見えるもの、手で触れることのできるもの、一時的であっても即効で恐れや痛みを緩和してくれるものに頼ります。
時には、自分にとって不健全、はたまた有害にもなる人間関係を断ち切れず、束縛され続けることもあります。
子供を偶像に供えて死なせたり、体に傷をつけたり、性的にみだらな行為が宗教儀式に含まれていたりといった古代人の習慣を聞くと、私たちとは違うと思うでしょうか。
私たちは進歩したと思いたいですが、今も変わらず不安を解消するため、欲を満たすため、飽くなき追求をしている現代人のことを思うと、考えさせられます。
引用:第5章 デボラ~目ざめた女~

堕落した後のエバの様な振る舞いは、現代人の私たちも身につまされます。

人は拒まれることを、最も恐るのではないでしょうか。
結果的に人は、関係が消極的なものになるか、相手に強い要求をするかどちらかに傾きます。
拒絶を恐るがゆえに、相手を支配しようとしてしまうのです。
どちらも、コントロールです。
傷つけられないための防御策は、愛を受けることも、与えることも、貧弱にさせるのです。
引用:第1章 エバ~選択を誤った女~

人生における本当の価値、真のクオリティーとは普遍的であり、遙か昔から変わらないのです。

聖書には現代に通じる多くの教訓があり、常に神との関係の中で生きることの大切さを教えてくれます。

私たちは誰も自分の思い描いたとおりの人生を歩むことはありません。
過去に戻ってやり直すこともできません。
みんなどこかで夢は壊れ、期待は外れ、失ったものや失った人の痛みを心に抱えながら生きています。
だから私たちは聖書の女たちに共鳴し共感できるのです。
引用:おわりに

カテゴリ - 書評

2018/05/31

関連トピックス

谷村新司の不思議すぎる話

「谷村新司の不思議すぎる話」の概要と書評

「谷村新司の不思議すぎる話」がとても素晴らしかったのでレビューしたいと思います。 目次概要谷村新司という人物「谷村新司の不思議すぎる話」から受け取ったメッセージ一部紹介 概要 谷村新司の不思議すぎる話 …

子供を作らないという選択

子供を作らないという選択がある

家系図カッター 「子供を作らない」という強い決意と共に書かれた、そんな直球タイトルの本に出会いました。 著者は増田セバスチャンというアートディレクターやアーティストとして活躍する方です。 きゃりーぱみ …

行動をもって気分を変える!森田正馬「自覚と悟りへの道」

行動をもって気分を変える!森田正馬「自覚と悟りへの道」を読んで

私はとにかく朝が弱いです。 低血圧とか自律神経の失調とかそういう類ではなく、とにかく気分が落ち込んでいるんです。 そして頭の中に浮かんできてほしくないモノゴトで一杯になってしまうんです。 もちろん寝起 …

繊細な人でも図太くなる方法

繊細な人でも図太くなる方法

図太いとは「大胆」「クヨクヨしない」「周囲の目など気にしない」「何も考えず行動できちゃう」などの意味で使われる形容詞です。 本当に図太い人は気持ちが強く、いつもどんな時でもたくましく平然としていて、肝 …

生きがいについて

神谷美恵子「生きがいについて」の概要と感想

1966年に発行された神谷美恵子の著書「生きがいについて」にこんな言葉があります。 私たちは幸か不幸か現世のなかで自分の居どころをあたえられ、毎日のつとめや責任を負わされ、ひとや物事から一応必要とされ …